親鸞聖人がお生まれになったのは平安時代末期。武力抗争、天災、飢饉の相次いだ時代です。
聖人5歳の年、鹿ヶ谷での平家打倒の密談が発覚、俊寛らが鬼界が島に流罪となります。
治承4(1180)年、聖人8歳の年には以仁王の令旨を奉じて源頼政が挙兵、宇治平等院で平氏に敗れました。幼い聖人のおられた日野と宇治は目と鼻の先、戦の叫びや悲惨な呻きを耳にされたのかも知れません。この年、源頼朝、義仲も挙兵します。
翌、養和元(1181)年、日本史上まれにみる飢饉となりました。京都の市中だけで42,300もの餓死者の遺体が放置されていたと『方丈記』に記されます。人々は苦難の中に生きていたのです。
この年、聖人は叔父日野範綱につれられ青蓮院にて得度されました。9歳の春のことです。この同じ年、平清盛が没します。